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藻塩とは?——古墳時代の製塩法がよみがえった、瀬戸内の黄金色の塩

2026-07-19

「藻塩(もしお)」という言葉を、和歌の中でしか知らない人は多いと思います。万葉集には「藻塩焼く」という表現がたびたび登場します。海辺で海藻を焼いて塩をとる風景は、千年以上前の日本人にとって、ごく身近なものでした。

その藻塩は、長いあいだ歴史の中に埋もれていました。現代によみがえるきっかけになったのは、瀬戸内海の小さな島で見つかった、一つの土器です。

発掘された土器から始まった復活

広島県呉市の上蒲刈島では、古墳時代の製塩土器が発掘されています。海水を土器で煮詰めて塩をとっていた痕跡——つまりこの島では、およそ1500年前から塩づくりが行われていたことになります。

この発見をもとに、古代の「藻塩焼き」を現代の製法として再現したのが、上蒲刈島の蒲刈物産です。瀬戸内の海水に、海藻・ホンダワラのエキスを合わせて炊き上げる。文献と土器から製法を推定し、試行錯誤の末に生まれたのが「海人の藻塩」とされています。

塩づくりがいったん途絶えた土地で、考古学の成果が調味料として食卓に戻ってくる。全国でも珍しい経緯を持つ塩です。

なぜ、だしのような余韻があるのか

藻塩をなめると、塩けのあとに、ふわりとうま味が残ります。

理由はホンダワラにあります。海藻にはグルタミン酸をはじめとするうま味成分が含まれており、そのエキスとともに炊き上げることで、塩の結晶にうま味が溶け込みます。色が淡い黄金色に染まるのも、海藻由来の成分によるものです。

「塩なのに、だしの気配がする」——この性質が、藻塩を「最後の一振り」の塩にしています。素材に塩けを与えると同時に、うま味の下支えまで済ませてしまうからです。

海人の藻塩——蒲刈物産

「海人の藻塩」は、上蒲刈島の蒲刈物産が作る藻塩の代表格です。瀬戸内海の海水とホンダワラだけを使い、淡い黄金色に仕上げられています。

万葉集に詠まれた「藻塩焼く」風景を、製塩土器の発掘をきっかけに現代の製法として再現した一本。千年以上前の日本人が口にしていた塩の記憶を、いまの台所で確かめられます。

藻塩の楽しみ方

まずは天ぷらか塩むすびで、「うま味のある塩」を体験してみてください。古代の海の記憶が、一振りでよみがえります。

よくある質問

藻塩とは何ですか?

海水に海藻(ホンダワラ)の成分を合わせて炊き上げる、日本最古級の製塩法で作られた塩です。海藻由来のうま味成分を含むため、淡い黄金色をしていて、塩でありながらだしのような余韻があるのが特徴です。

藻塩は普通の塩とどう違いますか?

一般的な塩が海水だけから作られるのに対し、藻塩は海藻のエキスを加えて炊き上げます。そのためアミノ酸系のうま味が加わり、塩けの角がやわらかく感じられます。色も白ではなく、淡いベージュ〜黄金色になります。

藻塩はどんな料理に合いますか?どこで買えますか?

天ぷらや白身魚の刺身、焼き鳥など「つけ塩」で使う料理に特に向いています。広島県呉市の「海人の藻塩」(蒲刈物産)は代表的な藻塩で、Amazonなどの通販でも購入できます。

この記事で紹介した一本

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