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お好みソースとウスターソースの違い——粘度で分かれる、ソースという分類

2026-07-29

お好み焼きにウスターソースをかけると、どこか物足りない。逆にとんかつにお好みソースをかけると、甘すぎると感じる人もいます。

同じ「ソース」と呼ばれていても、この二つは設計が違います。しかもその違いは、味の好みの話ではなく、日本の規格上できちんと区分されているものです。

分けているのは、味ではなく粘度

日本ではウスターソース類がJAS規格で定義されており、区分の基準になっているのは粘度です。とろみの少ないものがウスターソース、中間が中濃ソース、そしてとろみの強いものが濃厚ソースと呼ばれます。お好みソースは、この濃厚ソースに当たります。

なぜ粘度が基準になるのか。使い方を考えると納得できます。ウスターソースは料理に染み込ませたり、かけて流したりする使い方が中心です。対してお好み焼きは、熱い鉄板の上の生地に塗る。ここでとろみがなければ、ソースは流れ落ちてしまいます。生地の表面に留まり、刷毛で広げられる粘度が必要なのです。

原料の傾向も変わります。ウスターソースは野菜・果実に香辛料と酢を効かせ、酸味と辛みで輪郭を作ります。濃厚ソースは果実由来の甘みとコクを厚く重ね、粉ものの生地に負けない味の面を作ります。

甘みの正体はデーツだった

広島のお好み焼き文化を語るとき、オタフクソースを外すことはできません。

始まりは大正11年(1922年)、酒と醤油を商う「佐々木商店」でした。戦後の復興期、屋台のお好み焼きが広島の人々の腹を満たしていた時代にソースの製造を始め、昭和32年(1957年)、お好み焼きのために粘度と甘みを設計した「お好みソース」が生まれます。

特徴的な甘みの源は、中近東の果実・デーツ(ナツメヤシ)。オイルショックで砂糖が高騰した1975年頃に採用され、砂糖が安くなった今も、そのコクのある甘みのために使われ続けています。屋台の鉄板から世界50カ国以上へ。広島の街とともに歩んだ味です。

大阪には「地ソース」という文化がある

粉もんの都・大阪には、大手メーカーとは別のソース文化が生きています。その象徴が、東住吉の小さな工場で造られる「ヘルメス ウスターソース」です。

昭和10年(1935年)、創業者・坂井一男が商業の神ヘルメスの名で商標登録したこのソースは、今も家族数人だけの完全ハンドメイド。レシピは一子相伝とされています。トマト、玉ねぎ、りんご——野菜と果実の自然な甘みが主役で、とがった酸味のない味わいです。公式通販は今も約3ヶ月待ち。串カツ屋やお好み焼き屋が長年頼ってきた一本です。

同じ「ウスターソース」の名でも、大手の一本とこうした地ソースでは味の方向がまったく違います。ソースは思ったより、地域差の大きい調味料なのです。

使い分けの目安

冷蔵庫に2本並べておくと、料理の幅は思ったより広がります。まずは手元のソースの粘度を、瓶を傾けて確かめてみてください。

よくある質問

お好みソースとウスターソースの違いは何ですか?

主な違いは粘度です。日本のJAS規格ではウスターソース類が粘度で3つに区分され、とろみの少ないものがウスターソース、中間が中濃ソース、とろみの強いものが濃厚ソースです。お好みソースはこの濃厚ソースに当たり、鉄板の上でも垂れずに絡むよう設計されています。

中濃ソースでお好み焼きを作ってもいいですか?

使えますが、仕上がりは変わります。中濃ソースはお好みソースより粘度が低く甘みも控えめなため、生地に絡みにくく、味の輪郭がやや薄く感じられます。お好み焼き用のソースは果実由来の甘みとコクを厚めに設計しているため、専用品のほうが想像に近い味になります。

オタフクソースの甘みは何からきているのですか?

中近東の果実・デーツ(ナツメヤシ)です。オイルショックで砂糖が高騰した1975年頃に採用され、砂糖が安くなった現在も、そのコクのある甘みのために使われ続けています。野菜と果実を重ねた甘みが、広島のお好み焼き文化を支えてきました。

この記事で紹介した一本

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