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淡口醤油の使い方と通販での選び方:料理別の使い分けと、濃口からの置き換え分量

淡口醤油と濃口醤油を並べた小皿とガラス徳利。色は淡口の方が薄いが塩分は淡口の方が高いことを示す図解

淡口醤油の使い方

  • 一言でいえば「色をつけたくない料理に使う」。味の濃さではなく、仕上がりの色で選びます。
  • 濃口から置き換えるときは同量ではなく8割程度から。淡口の塩分は約18%で、濃口(約16%)より塩辛いためです。
  • 淡口=減塩醤油ではありません。「うすくち」の「うす」は味ではなく色を指しています。
  • 色が薄いと味も薄く感じますが、それは色に引きずられた錯覚です。色の薄さと塩分は関係ありません。

淡口(うすくち)醤油を一本買ったものの、どう使えばいいか分からないまま冷蔵庫に置いている。あるいは、通販で買おうとしても種類が多くて選べない。そんな声をよく聞きます。

使い方は、一言で言えば「色をつけたくない料理に使う」。これだけです。以下、料理別の使い分けと濃口から置き換えるときの分量に加え、通販で選ぶときのチェックポイントも具体的に見ていきます。

料理別・淡口と濃口の使い分け

迷ったときは、この表のとおりに選べば失敗しません。

料理 どちらを使うか 理由
お吸い物・すまし汁 淡口 だしの色が濁らない
炊き合わせ・含め煮 淡口 野菜の色が沈まない
だし巻き卵・茶碗蒸し 淡口 卵の黄色が活きる
青菜のおひたし 淡口 緑がくすまない
炊き込みご飯 淡口 米が茶色くならない
うどんつゆ(関西風) 淡口 澄んだ色に仕上がる
刺身・寿司 濃口 香りとコクが主役
照り焼き・煮魚 濃口 色と照りが欲しい
炒め物 濃口 香ばしさが必要
煮物(茶色く仕上げたい) 濃口 定番の色になる

境目は明快です。仕上がりの色を「透明に近く保ちたい」なら淡口、「茶色く濃くしたい」なら濃口。味の濃さではなく、色で選んでください。

濃口から置き換えるときの分量

レシピの「醤油大さじ1」を淡口に置き換える場合、同量ではなく8割程度から始めます

レシピの濃口 淡口に置き換え
大さじ1(15ml) 小さじ2.5(約12ml)
大さじ2 大さじ1.5弱
小さじ1 小さじ0.8

理由は塩分です。淡口の塩分は約18%、濃口は約16%。淡口のほうが塩辛いため、同量で置き換えると塩けが立ちすぎます。

足りなければ後から足せますが、入れすぎた塩は戻せません。少なめに入れて味を見る。この順番を守れば、置き換えで失敗することはまずありません。

なお、色が薄いぶん「味が薄い」と感じて足したくなりますが、それは色に引きずられた錯覚です。色の薄さと塩分は関係ありません。

「うすくち=薄味」という誤解

ここが最も多い勘違いなので、はっきり書いておきます。

淡口醤油は減塩醤油ではありません。 塩分は濃口より高めです。「うすくち」の「うす」は、味ではなく色を指しています。

色を淡く保つには発酵を抑える必要があり、その役割を担うのが塩です。高濃度の塩水で仕込み、熟成期間も短めにとる。塩分が高いのは、淡い色を実現するための必然なのです。

減塩を目的に淡口を選ぶと、狙いと逆の結果になります。塩分を控えたい場合は、減塩表示のある醤油を選んでください。

余った淡口を使い切る

和食用に買ったものの持て余す、という声もよく聞きます。淡口は「色をつけない塩」と考えると用途が一気に広がります。

開封後は冷蔵庫で保存し、1〜2ヶ月を目安に。空気に触れると酸化して色が濃くなり、淡口を選んだ意味が失われます。卓上に出しっぱなしにするのは避けてください。

淡口醤油は龍野で生まれた

淡口醤油の産地として知られるのが、播磨の龍野(現・兵庫県たつの市)です。誕生は江戸時代前期とされています。

この土地には、色の淡い醤油を生む条件が揃っていました。揖保川の水は鉄分が少ない軟水で、醤油の色が濃くなりにくい。播州平野では米と小麦がとれ、近くの赤穂には塩がある。龍野の淡口は京・大坂へ運ばれ、素材の持ち味と彩りを重んじる京料理・懐石文化を支えてきました。

関東の濃口が江戸の蕎麦や蒲焼きとともに育ったのに対し、関西の淡口はだし文化とともに育った。醤油の東西差は、そのまま食文化の東西差でもあります。

色を「つけない」ための技術

淡口醤油の色の淡さは、手を抜いた結果ではありません。むしろ逆で、色をつけないための工夫が重ねられています。

高濃度の塩水で仕込んで発酵をゆるやかに進め、熟成期間を短めにとることで、色づきを抑えます。蔵によっては米を使って味に丸みを持たせることもあります。塩分が高いのは、この「発酵を抑える」仕込みの必然でもあるのです。

薄めるのではなく、淡く留める。淡口は「引き算の醤油」と言えます。

なお醤油はJAS規格で濃口・淡口・溜まり・再仕込み・白の5種類に分かれます。淡口はこのうち、色を最も抑えた側に位置する一本です。

淡口醤油を通販で買うときのチェックポイント

スーパーの棚には淡口醤油の選択肢が少なく、通販で探す方が多いカテゴリです。買う前に見るべき点は3つに絞れます。

容量は、まずは500ml前後の中サイズをおすすめします。淡口は開封後1〜2ヶ月で使い切りたい醤油なので、1リットルの大瓶は使い切る前に色が濃くなりがちです。通販では送料込みで比較して、この容量帯を選ぶのが失敗しにくい買い方です。

末廣醤油 本造りうすくちしょうゆ:通販で買える発祥の地の一本

上の3条件をすべて満たすのが、龍野の末廣醤油「本造りうすくちしょうゆ」です。

温度をかけて発酵を急がせる大量生産とは違い、四季の気温に任せてじっくり熟成させる仕込みです。「本造りうすくちしょうゆ」でだしを張った煮物を作ると、だしの色がそのまま透けた、料亭のような炊き合わせに仕上がります。

濃口に慣れた関東の食卓こそ、違いがはっきり分かるはずです。商品ページから通販で購入できます(末廣醤油 本造りうすくちしょうゆの詳細)。

濃口も一本欲しい方には、井上醤油店 古式じょうゆ(島根・奥出雲、慶応3年創業)を煮物用に併せて選ぶと、淡口と濃口を用途で使い分けられます。

まず一品、試すなら

最初の一品にはお吸い物をおすすめします。だしの色がそのまま残るため、淡口を使った効果が最も分かりやすく出るからです。

いつものだしに、塩少々と淡口を小さじ1弱。それだけで、料亭で出てくるような澄んだ一椀になります。同じものを濃口で作って並べると、色の差に驚くはずです。

一本増やすだけで、和食の仕上がりは目に見えて変わります。

よくある質問

淡口醤油はどんな料理に使えばいいですか?

お吸い物・炊き合わせ・含め煮・だし巻き卵・青菜のおひたしなど、だしや素材の色を活かしたい和食に向いています。特に煮物の色を料亭のように淡く仕上げたいときに効果がはっきり出ます。逆に刺身・照り焼き・煮魚など、醤油の色と香りを主役にしたい料理は濃口が向いています。

濃口醤油を淡口醤油に置き換えるとき、分量はどうすればいいですか?

濃口大さじ1に対し淡口小さじ2.5(約8割)から始め、味を見て足す方向で調整してください。淡口の塩分は約18%と濃口の約16%より高いため、同量で置き換えると塩けが強く出ます。色は薄くなりますが塩分は下がらない点に注意してください。

淡口醤油は減塩になりますか?

なりません。むしろ逆で、淡口のほうが塩分は高めです。色を淡く保つために高濃度の塩水で仕込み発酵を抑えるため、塩分が上がります。「うすくち」の「うす」は味ではなく色を指す言葉です。減塩が目的なら減塩表示のある醤油を選んでください。

淡口醤油と濃口醤油の違いは何ですか?

最も大きな違いは色と塩分です。淡口醤油は色が淡く、素材やだしの色を活かす調理に向きます。一方で塩分は淡口のほうが高く、一般に濃口が約16%に対し淡口は約18%前後です。「淡口=薄味・減塩」ではない点に注意が必要です。

淡口醤油が余ってしまいます。使い切る方法はありますか?

和食以外にも使えます。塩の代わりにスープやパスタの塩気付けに使うと、色を濁らせずに旨みだけを足せます。鶏むね肉の下味、浅漬け、卵かけご飯にも向きます。開封後は冷蔵庫で保存し1〜2ヶ月を目安に使い切ってください。空気に触れると色が濃くなり、淡口を選んだ意味が薄れます。

淡口醤油を通販で買うときは何を見ればいいですか?

産地・原料・醸造方法の3点を見てください。産地は淡口発祥の地である兵庫県たつの市(龍野)のものが基本です。原料は「国産丸大豆・国産小麦」と明記されたもの、醸造方法は「天然醸造」と書かれたものが色と旨みのバランスがよいとされています。500ml前後の中サイズなら1〜2ヶ月で使い切りやすく、通販でも送料に対して選びやすい容量です。

この記事で紹介した一本