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日本発祥の調味料はどれ? 醤油は大陸由来、七味と柚子胡椒は日本生まれとされる

日本発祥の調味料

  • 日本で生まれたとされるのは七味唐辛子と柚子胡椒。鰹節は日本の文献に早く出ます。
  • 大陸から来て日本で形になったのは醤油、味噌、麹。日本の原料と気候で別のものになりました。
  • 由来を分けにくいのはみりんとポン酢。中国伝来説と日本発生説があり、語源はオランダ語とされます。
  • 辞典や国の資料でも「日本発祥」と明記されたものは少なく、多くが「とされています」の強さです。

日本発祥の調味料と聞いて、醤油を思い浮かべる人は多いはずです。けれど醤油の原型にあたる醤(ひしお)は、701年の大宝律令にも名前が見える、大陸由来の発酵調味料です。答えは「発祥」をどの意味で使うかで変わります。ここでは、日本で生まれたとされるもの、大陸から来て日本で形になったもの、由来を分けにくいものの3つに分けて見ていきます。

日本で生まれたとされる調味料

七味唐辛子について、日本国語大辞典は、寛永2年(1625)に江戸・両国の薬研堀で中島徳右衛門が売り出したのが始まりとしています。一方、世界大百科事典は、江戸で七色唐辛子が広まったのは安永から天明(1772〜89)ごろと見ており、年代は辞典によって割れています。主役の唐辛子は16世紀に南蛮船が伝えた外来の作物なので、正確には外来の原料を江戸で調合した香辛料です。薬研堀の話は七味唐辛子はどこで生まれた?にまとめました。

柚子胡椒は九州で生まれたとされます。農林水産省の「うちの郷土料理」は発祥地には諸説あるとして福岡県の英彦山周辺を挙げ、事典類は大分県日田市が発祥とされると書いています。名前の「胡椒」は九州で唐辛子を指す呼び名です。大陸由来を示す記述は見つかっていませんが、いつ生まれたかも分かっていません。日田の粒と宮崎の青の違いは柚子胡椒の食べ比べで書いています。

鰹節は、少し置き場所が違います。718年の養老律令に堅魚(かたうお)が朝廷への貢納品として載り、「かつほぶし」の文字は1513年の『種子島家譜』が初出です。今の鰹節に近いものが作られるようになったのは江戸時代とされます。日本発祥と明記した資料は確認できなかったため、日本の文献に早くから出る調味料として挙げておきます。製法の違いは本枯節と花かつおの違いに書きました。

大陸から来て日本で形になった調味料

醤油は、中国や朝鮮から伝わった豆醤などが日本で発展したものと、日本大百科全書は説明しています。「醤油」の文字は1597年の『易林本節用集』が初出で、濃口醤油は江戸中期ごろに溜醤油から発展したとされます。鎌倉時代に味噌樽の底のしずくから生まれたという湯浅の話は、伝承として伝わるものです(湯浅の物語)。

味噌も、起源は中国の醬と豉にあります。そのうえで世界大百科事典は、米麹や麦麹を加えた米味噌と麦味噌は日本で独自に生まれたと書いています。味噌の前身にあたる未醤の初出例は、738年の駿河国正税帳です。

農林水産省の解説によると、麹は中国から入ったとされています。中国は麦や大豆で麹を作りますが、稲作が盛んな日本では米で作るようになりました。2006年には日本醸造学会が麹菌を国菌に認定しています。国菌は国を代表する菌としての認定で、日本で生まれた菌という意味ではありません。麹の種類は生麹と乾燥麹の違いで比べています。

由来を分けにくい調味料

みりんが現存する文書に出てくるのは戦国から安土桃山で、国税庁の資料は『宗湛日記』(1586〜92年)の「密林酒」を最初の例にしています。中国から伝わったとする説と、日本で練酒や白酒に焼酎を加えて生まれたとする説があり、中国の蜜林が日本に伝わり、焼酎を加える日本の製法に変わったという見方もあります。本みりんの選び方はみりん風調味料との違いで整理しました。

ポン酢の「ポン」はオランダ語の pons に由来するとされ、橙やすだちの果汁に酢を加えたものを指します。ただ、日本でいつ、誰が調味料として作り始めたのかを示す資料は見つかっていません。馬路村のぽん酢の話はゆずの村のぽん酢で読めます。

友人に聞かれたときの答え方

「日本で生まれたとされるのは七味唐辛子と柚子胡椒です。醤油や味噌は大陸から来て、日本の原料と気候で別のものになりました」と答えれば、辞典の記述と食い違いません。年代まで聞かれたら、七味は1625年説と18世紀説があることを添えます。

産地が分かる商品なら、この話を食卓で使えます。

よくある質問

日本で生まれた調味料は何ですか?

七味唐辛子は江戸の薬研堀で、柚子胡椒は九州で生まれたとされています。日本国語大辞典は七味の始まりを寛永2年(1625)とし、農林水産省の資料は柚子胡椒の発祥地に福岡県の英彦山周辺を挙げています。いずれも発祥地には諸説があります。

醤油は日本発祥の調味料ですか?

日本発祥とは言い切れません。原型の醤(ひしお)は中国や朝鮮から伝わったと考えられており、701年の大宝律令にはすでに醤の名が見えます。濃口醤油は江戸中期ごろに溜醤油から発展したとされ、今の形は日本で整いました。

日本発祥の調味料を買うなら、どんな商品を選べばよいですか?

発祥にゆかりのある産地の商品が選びやすいです。寛永2年(1625)創業とされる浅草の「やげん堀 七味唐辛子」や、大分・日田の粒柚子胡椒「川津家謹製」のように、産地と作り手が分かる商品を選ぶと、由来の話を語りながら使えます。

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