まずはこの3本



加賀百万石の城下町・金沢には、藩の食を支えた醸造の技が残っています。大野は醤油の産地として知られ、麹を使った調味料づくりが今も続いています。
能登へ向かうと、風景が変わります。珠洲の仁江海岸では、五百年続く揚げ浜式製塩が今も行われています。海水を桶で汲み上げて塩田に撒く、日本でここだけの製法で、国の重要無形民俗文化財に指定されています。小木ではイカの内臓を仕込んだ魚醤「いしり」が作られ、日本三大魚醤のひとつに数えられます。
- 金沢・大野の醤油と麹の文化
- 珠洲に残る日本唯一の揚げ浜式製塩
- イカから醸す魚醤「いしり」
能登が生んだ塩と魚醤
石川の調味料は能登半島に集中しています。海に囲まれた土地で、塩と魚醤という、海から直接生まれる二つの調味料が今も造られています。
魚醤の「いしり」「いしる」は、イカの内臓やイワシ・サバの身を塩に漬け、一年以上発酵させて造ります。イカを使うものをいしり、イワシなどを使うものをいしると呼び分ける地域が多く、能登では万能調味料として日常に定着しています。金沢では醤油や麹を使った調味料づくりも盛んで、醤油に麹を合わせた調味料などが作られています。
揚げ浜式製塩といしるの文化財登録
珠洲に伝わる揚げ浜式製塩は、砂を敷いた塩田に海水を人力で撒き、天日で濃縮してから釜で炊き上げる製法です。国内で唯一この方法が続く土地とされ、「能登の揚浜式製塩の技術」は2008年3月に国の重要無形民俗文化財に指定されました。用具166点も、1969年に重要有形民俗文化財となっています。
いしる・いしりについては、「能登のいしる・いしり製造技術」が国の登録無形民俗文化財に登録されています。始まりの時期ははっきりしませんが、江戸時代中期には能登で造られていたとみられます。第二次大戦中には、自家製塩の塩で仕込んだいしるが代用醤油として農産物と交換された記録も残ります。
郷土料理と調味料
- いしる鍋(貝焼き)
- ホタテなどの貝殻を鍋がわりにして、いしるで味を付けた汁で具材を煮ます。能登の宴席に出る食べ方で、魚醤の香りが立つ料理です。
- かぶら寿し
- かぶに鰤を挟み、麹で漬け込んで発酵させた金沢の冬の保存食です。麹の甘みと魚のうま味が合わさる、石川の発酵文化を代表する一品です。
石川県の蔵元・醸造元
- 奥能登塩田村
珠洲で揚げ浜式製塩を続けています。砂を使って海水を濃縮する国指定重要無形民俗文化財の製法を今に伝えています。 - カネイシ
能登町小木のいしり蔵です。イカの内臓を原料とする能登のイカ魚醤を造っています。 - ヤマト醤油味噌明治44年創業
金沢・大野の蔵です。醤油や味噌に加え、醤油に麹を合わせた醤油糀なども手がけています。
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