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甘口醤油にあごだし、熊本の赤酒、宮古島の雪塩。九州・沖縄の風土が生んだ調味料を、食卓へ。
九州の調味料は「甘い醤油」「麦味噌」「あご(トビウオ)だし」の三本柱に、南の海が育てた塩と柑橘の辛味が重なるのが特徴です。江戸期に薩摩や長崎が砂糖の玄関口だった歴史から、鹿児島や熊本を中心に醤油そのものが甘口に寄っていったとされています。米が採りにくく麦作に向く土地が多かったことから、大豆に大麦の麹を合わせる麦味噌の食文化が根づいたのも、風土に合った選び方でした。玄界灘や東シナ海のトビウオを焼いて干した「あご」でだしを取る文化も、福岡や長崎を中心に受け継がれています。
同じ九州でも、県ごとに味の方向は分かれます。鹿児島は、サクラカネヨ「甘露」に代表される極甘口の刺身醤油と、福山町の壺仕込み黒酢の里。熊本は、瑞鷹の赤酒(灰持酒)やフンドーダイの透明醤油、山内本店の米麦あわせ味噌など、独自路線が並びます。大分・宮崎は柚子胡椒の産地として知られ、麦味噌との相性の良さでも親しまれています。福岡・長崎はあごだしや麦みその産地、沖縄は宮古島の雪塩や石垣島のラー油など南国色が強く出ます。県ごとの詳しい違いは、各都道府県ページからご覧いただけます。
旅の土産として選ばれるのは、その土地でしか作られない一本です。宮古島の雪塩は、地下海水を汲み上げて短時間で仕上げるパウダー状の塩で、島の外で同じものを再現するのが難しい調味料とされています。鹿児島・福山町の黒酢は、屋外に並べた壺のなかで発酵から熟成までを一貫して行う「壺畑」の景観とともに、二百年ほど続いてきたと伝えられています。熊本の赤酒や、大分・宮崎の柚子胡椒、石垣島のラー油も、地域外では出会いにくい一本として、旅先の記憶と一緒に持ち帰る土産に選ばれています。





















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